禅宗のお坊さんにとって生涯最大のイベントは先代住職の津送(本葬儀)ではないかと思います。通夜、密葬(内々の葬儀)はもう亡くなったどさくさで、などと言うと語弊がありますが、ある程度忙しさのうちに粛々と行われる訳ですが、津送となりますと亡くなってからだいたい一か月以上は経ってから行われますし、周囲の同派和尚様方のご意向も汲みながら、それなりの格式も伴って行われますので、本当に大事業となります。どなたに導師をお願いするか、導師の人数は何人か、何人の和尚様方にお手伝いをお願いするのか、何人の和尚様方に参列していただくのか、引き出物はどうするか、檀家の皆さまにはどのようにご案内するか、等々、もう細かなことも一つ一つ丁寧に詰めていかなくてはなりません。生前に交代していたならともかく、住職になって最初の仕事としてはとても重い仕事です。
その点、世界最大の宗派であるローマカトリックのトップが亡くなった訳ですから、葬儀を仕切る責任者の仕事はさぞかし大変だろうなぁ、などと他宗のことながら余計なことを考えたりしておりました。でも葬儀は昨日行われ、5月になってからコンクラーベ(教皇選挙)が行われるんですってね。と言うことは正式な後継者が葬儀の責任者になるわけではないのですね。喪主というか、寺だと津送の際の後継者の役名を「小師」と言いますが、その役の方は教皇さまの葬儀にはいないのでしょうか? でも世界中から弔問者も集まりましたよね? どなたに弔意を伝えるのでしょうか? ほんと、他宗のことながら、興味深く報道を見ました。もちろん敬意と弔意も持ちながらですが…。
おりしも映画『教皇選挙』も上映中ですね。見に行こうかなとも思ったのですが、なんと浜松市内では上映館なし。残念です。磐田まで見に行きましょうかね。
教皇さまご逝去
