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恩師の命日

 先週、私の恩師の命日がありました。朝の朝課のときに、大悲呪というお経を一巻上げてご供養いたしましたが、毎年ちょっと悩むのが、先生は実はクリスチャンでして、命日にお経を上げてもいいのかなということです。まあでもこの先生のご主人は浄土宗でしたし、先生のご生前に自宅にうかがうと、いつも先に亡くなったご主人にお経を上げてと言われていましたので、まあご本人にもいいかなと思って、毎年上げております。
 もう一つ。先生にはお墓がございません。海洋散骨をされました。ご本人のたってのご希望だったそうですが、私としては少々残念に思っております。
 幼児教育について、母と私の二代に渡って永年、ご教授賜った先生です。ひくま幼稚園をたたんだときにはもうすでに逝去されておりましたが、もしもご存命であれば、一言お小言も賜ったことでしょう。お墓参りにうかがって、墓前にていろいろとご報告したり、あるいは先生を偲んだりということもしたいのですが、それがかないません。ご自宅にうかがってお参りさせていただくとしても、ご位牌とかご仏壇とかがあるのかどうかもわかりませんし、ご遺族に連絡してうかがうというのも、敷居の高さがあります。海に散骨された訳ですから、海に行けば墓参りもかなうのかもしれませんが、どうも具体的に手を合わせる対象がないと、いささか心許ないものがございます。
 そういった私自身の悩みからも、散骨ついて意見を求められると私はいつも、残された方のためにお墓はあったほうがよろしいのではと答えております。

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