お問い合わせ

達磨忌

 今日10月5日は、禅宗の初祖である菩提達磨大師のご命日で、達磨忌と呼ばれます。朝のお勤めで、大悲呪一巻を上げさせていただきました。
 ちょっと前までは達磨忌から冬の法衣に衣替えだと思ってましたが、違いましたっけ? 確かめるために僧堂での日記を見てみましたら、昭和63年10月5日の日記に、「如常 八時半達磨忌法堂出頭 弁事 開浴なし 地取小接心二日目 七柱(本当の字は『火』偏に『主』 更衣)」と書かれていました。
 「如常」というのは「常の如し」の意味ですが、日常と違うことがある日でも必ず「如常」と言います。「八時半達磨忌法堂出頭」は8時半に本山天龍寺の法堂という広いお堂に塔頭の和尚様方と一緒に出頭し、達磨忌のお経を上げたということです。「弁事」というのは、昼間は休みがもらえ、私用外出ができるということです。「開浴なし」はお風呂が今日は入れないよという意味。「地取小接心」というのは、毎月15日から21日までの一週間行われる、座禅強調週間とも言うべき「大接心」の前の一週間に行われる、その準備期間です。その二日目だったんですね。「七柱(本当の字は『火』偏に『主』」というのは、その日の夜はお線香が7本燃える間、座禅しましたという意味で、おおよそ4時間弱という感じでしょうか。そして「更衣」は衣替えですね。夏の麻の法衣から、冬の木綿の法衣に着替えました。久し振りに着ると、この木綿法衣というのが重く感じられまして、肩がこったのを覚えております。
 今は方広寺派は11月1日が衣替えとなっております。これも温暖化のせいでしょうね。まだ暑くて、とても冬法衣を着る気にはなれません。

目次