20年くらい前は確実に、桜の木が葉を落とすのは冬だったと思います。園庭に咲く三本の桜の木が落とす葉っぱは毎日掃いてもかなりの量でした。それがいまや、桜の葉が落ちるのは真夏から秋にかけてとなってしまいました。植物の根本的な性質にまで、この異常な暑さは影響を与えているのでしょうか。恐ろしいことです。
さて落ち葉も毎日は掃いてもいられず、また庭の中に落ちてしまった葉は掃くこともできず、一枚一枚を手でひろうということになります。そうなるとものぐさな私のことですので、ある程度、見た目がわるくなるまでほうっておき、汚さが目に付くようになってからやおらひろい出すということになります。先日も落ち葉はそのままに水まきをいたしておりましたら、家内に、落ち葉が邪魔をして水が地面に届いていないと指摘されました。なるほど。水が葉っぱの上を流れてしまえば、土には吸収されず、木々や草、苔の糧とはなりません。
ここで気が付いたことは、仏様の教えが広く衆生に伝わるために、坊主は落ち葉ひろいを心がけなければならんということです。慈雨が大地に届くことを阻む落葉を取り除く方法は? まあまずはそれを拈提しながら、せっせと落ち葉をひろい、草取りにも精を出しましょう。
それにしても観音様は、またまた家内の口を借りて私を正しく導いてくれた、と感謝しています。