4月1日を迎え、年度も改まりました。幼稚園を経営していた頃は、新年度はもう大忙しの毎日で、また神経も細る日々でした。お寺はその点は新年度特有の忙しさというものもなく、かつては感じ得なかったゆとりを持って本日を迎えました。
幼稚園と言えば、本日4月1日より、園舎の解体工事が始まりました。本当は明日からのはずでしたが、なにか手違いがあったのか、今日の朝からのスタートとなり、私は慌てて法衣に着替え、園舎に向かいました。まず園舎の四隅と中央に、塩、お米、お酒をまき、昇降口で般若心経・消災呪を唱え、今まで安全かつ快適に子どもたちの教育環境の中心となって活躍してくれた園舎に対して、お礼の意を表しました。
建物の解体に伴う作法に関しまして、私は精通してはおりませんが、お墓を建てたり、つぶしたりする際の作法に准じて、塩をまき人間が使ったことに対するけがれをはらい、お米とお酒をまくことで、その土地を使用したことに対するお礼の意を表し、感謝の気持ちを捧げつつお経を読みました。土地に対する礼とか人間の使用したけがれとか、あるいは神道的な考えなのかもしれませんが、少なくとも何者かに対する感謝の意は伝えたかったということでしょうか。明日からいよいよ園舎に重機の爪が入ります。情けないことですが、おそらく泣けてしまうでしょうね。