うちの息子には重度の障害がありまして、最近は入退院を繰り返しております。入院中の楽しみは食事のようで、特にK病院は食事にとても気を遣ってくださるので、ありがたく思っております。
さてK病院では食事の度にデザートに果物が付きます。入院中に息子に「なんの果物が一番好き?」と尋ねましたら、りんごを食べながら「りんご」と答えてくれました。別の日に、「なんの果物が一番好き?」と尋ねましたら、キウイを食べながら「キウイ」との返事が…。みかんの日にもそうでした。「今食べているものばかり答えるね」とその場では笑いました。でも後で考えてみると、これこそが「吾、唯足るを知る」ということなんだなと思いました。よく庭のつくばい等にデザインして書かれる言葉ですが、「私たちは今、自分が幸せなんだということを、もっと自覚しなくてはならない」という戒めと考えてもよいでしょうか。まさに「負うた子に教えられる」思いです。