災害看護師の方のお話

　先日ラジオで、災害時にお医者さんの補助をし活躍する災害看護師の方のインタビューを聴くことができました。この方は普段は全国をまわって、若いお母さんたちの子育て支援のお仕事をされているとのことでした。
　いざ災害が発生すると、この方は早速に避難所を訪れ、医療に携わると共に、乳幼児をお持ちの若いお母さんへの支援をされるそうです。そんな中、激甚災害の避難所では、不安な気持ちから大泣きをする乳幼児に対して、周囲の大人たちから「うるさい」「静かにさせろ」というような怒鳴り声が聞かれるそうです。そんなときにこの方はどう対処されるのか…。私には到底想像できないような対処法でその場の方たちの気持ちが落ち着くように努めていらっしゃいました。
　その方は怒鳴り声を上げている、主に中高年の男性に対して、「私に抱っこされたい方は一列に並んでください」と声掛けをして、順番に、その人が「もういい」と言うまで、向き合って、ひざの上に座らせ、抱っこして、とんとんしてあげるそうです。長いときには30分以上も続けるそうですが、満足するとその方は「もう大丈夫です。ありがとうございました。頑張ります」と言い、自分を取り戻されるとか。多い時には40人以上も並ばれるそうです。
　聴いていて思わずうるっと…。「ここにも観音さまがいらっしゃる」とか言うと、抹香臭いとお思いですか？　でもそう感じざるを得ませんでした。