山号 | 助信山(じょしんざん) |
寺号 | 善信寺(ぜんしんじ) |
本尊 | 釈迦如来(釈迦牟尼仏) |
本山 | 臨済宗大本山 深奥山 方廣萬寿禅寺(奥山 方広寺) |
本寺 | 禅定山 大通院 |
開山 | 江雲善甫(こううんぜんぽ)禅師大和尚 |
善信寺の沿革
善信寺に残る『事蹟簿』によりますと、善信寺は天正7年(西暦1579年)8月17日に、濱名郡 新津村 新橋の光勝院 周天和尚さまの弟子、江雲善甫(こううんぜんぽ)和尚さま(徳川家家臣 本多重次の子とされる)が開山されました。
それより以前は善信尼法師さまの草庵であったとも伝えられていますが、これについては定かではないようです。
最初の本堂は天正10年(西暦1582年)2月に完成いたしました。
また本堂は、以下、第四世快應(かいおう)和尚さまが寛文年間(西暦1661~1672年)に、第十一世徳源(とくげん)和尚さまが文化13年(西暦1816年)にそれぞれ建て直され、今の本堂は第十六世東明(とうめい)和尚さまが昭和49年に建て直されました。
寺史
『事蹟簿』以外には寺史を伝えるものは特になく、これは戦火による焼失と言われております。
以下はわかる範囲の寺史です。
天正7年(西暦1579年)以前 | 廃寺であり、その前は善信尼法師草庵と言い伝わるも詳細は不明 |
天正7年(西暦1579年)8月17日 | 江雲善甫禅師大和尚 善信寺を開山 |
天正10年(西暦1582年)2月 | 江雲和尚 善信寺本堂 建立 |
慶長13年(西暦1608年)1月23日 | 当山開山江雲善甫禅師大和尚 遷化 |
寛永4年(西暦1627年)3月14日 | 前住方廣当山二世 松嶺恵柏和尚大禅師 遷化 |
慶安2年(西暦1649年)6月17日 | 前住方廣当山三世 陽林宗春和尚大禅師 遷化 |
寛文年間 | 快應和尚 本堂 再建 |
元禄2年(西暦1689年)10月25日 | 前住方廣当山中興四世 快應善哉和尚大禅師 遷化 |
正徳5年(西暦1715年)4月17日 | 前住方廣当山五世 快傳宗久和尚大禅師 遷化 |
享保19年(西暦1734年)11月23日 | 前住方廣当山六世 乾道恵元和尚大禅師 遷化 |
延享2年(西暦1745年)6月23日 | 前住方廣当山七世 海印恵琳和尚大禅師 遷化 |
天明元年(西暦1781年)12月19日 | 前住方廣当山八世 龍界智川和尚大禅師 遷化 |
寛政2年(西暦1790年)9月27日 | 前住方廣当山九世 龍鼎恵丈和尚大禅師 遷化 |
寛政11年(西暦1799年)5月6日 | 前住方廣当山十世 甲宗禅乙和尚大禅師 遷化 |
文化13年(西暦1816年)1月17日 | 徳源和尚 本堂 再建 |
文政2年(西暦1819年)4月27日 | 前住方廣当山再中興十一世 徳源智澤和尚大禅師 遷化 |
文政5年(西暦1822年)1月13日 | 守山和尚 庫裡 再建 |
文久3年(西暦1863年)11月29日 | 前住方廣当山十二世 守山見常和尚大禅師 遷化 |
明治8年(西暦1875年)10月27日 | 前住方廣当山十三世 信應?隆和尚大禅師 遷化(忌名一文字め不祥) |
明治45年(西暦1912年)5月28日 | 前住方廣当山十四世 樵山祖雄和尚大禅師 遷化 |
大正6年(西暦1917年)11月1日 | 邦山和尚 開山堂、位牌堂 建立 |
昭和6年(西暦1931年)2月19日 | 前住方廣当山十五世 邦山恵俊和尚大禅師 遷化 |
昭和11年(西暦1936年)12月 | 東明和尚 本堂、庫裡、書院 営繕 総工費5,405円40銭 総支出5,875円90銭 |
昭和16年(西暦1941年)12月 | 東明和尚 境内地拡張工事(墓地、位牌堂整備) 総支出7,481円70銭 |
昭和20年(西暦1945年)6月18日 | 浜松大空襲にて、米軍焼夷弾による火災により、本堂、庫裡等、山門以外全焼失 |
昭和22年(西暦1947年)4月1日 | 東明和尚 私立ひくま保育園 開園 |
昭和22年(西暦1947年)12月10日 | 静岡県知事の認可により、ひくま幼稚園と改名 再開園 |
昭和23年(西暦1948年)3月 | 東明和尚 仮本堂 建築 総支出124,566円 |
昭和24年(西暦1949年)8月 | 東明和尚 仮本堂 移築 総支出158,790円 |
昭和26年(西暦1951年)7月 | 東明和尚 仮本堂 増築 総支出124,566円 |
昭和30年(西暦1955年)8月 | 東明和尚 仮本堂 増築 総支出687,064円 |
昭和31年(西暦1956年)6月20日 | 静岡県知事の認可により、学校法人江雲学園 設立 |
昭和35年(西暦1960年)8月 | 東明和尚 墓地 移転整備 総支出330,000円 |
昭和35年(西暦1960年)10月 | 東明和尚 庫裡 新築 総支出89,000円 |
昭和36年(西暦1961年)4月1日 | 開山和尚三百五十年遠忌斎会 厳修 総支出122,700円 |
昭和37年(西暦1962年)12月26日 | 第十五世寺庭 水野とく 没 |
昭和39年(西暦1964年)3月1日 | 東明和尚徒弟 宜康(大豊) 善信寺副住職 拝命 |
昭和49年(西暦1974年)12月30日 | 東明和尚 現本堂 新築 総工費31,917,760円 総支出41,291,889円 |
昭和53年(西暦1978年)9月28日 | 第十六世寺庭 水野俊子 没 |
昭和58年(西暦1983年)9月15日 | 大豊和尚 善信寺第十七世 拝命 |
昭和58年(西暦1983年)9月15日 | 大豊和尚徒弟(長男) 弘明 得度 |
昭和58年(西暦1983年)9月19日 | 再住方廣当山再中興十六世 東明瀛洲和尚大禅師 遷化 |
昭和58年(西暦1983年) | 大豊和尚 鐘撞堂 建立 |
昭和61年(西暦1986年) | 大豊和尚 弘法大師堂 再建 |
昭和62年(西暦1987年)10月1日 | 大豊宜康徒弟(三男) 浩雄 得度 |
昭和63年(西暦1988年)4月5日 | 大豊和尚徒弟 弘明 天龍寺専門道場 掛塔 |
平成元年(西暦1989年)1月 | 大豊和尚 庫裡 新築 |
平成3年(西暦1991年)10月1日 | 大豊和尚徒弟 弘明 善信寺副住職 拝命 |
平成17年(西暦2005年)3月1日 | 大豊和尚徒弟 弘明 垂示式 挙行 |
平成18年(西暦2006年)10月25日 | 大豊和尚 駐車場 整備 |
平成25年(西暦2013年)4月 | 大豊和尚 永代供養塔 建立 |
平成25年(西暦2013年)12月22日 | 大豊和尚徒弟 弘明(大童) 善信寺第十八世 拝命 |
平成26年(西暦2014年)1月28日 | 再住方廣当山十七世 大豊宜康和尚大禅師 遷化 |
令和2年(西暦2020年)7月4日 | 第十七世寺庭 水野邦子 没 |
令和4年(西暦2022年)3月31日 | ひくま幼稚園 閉園 |
※最初に本堂を建て直された方を「中興和尚」、その後再び本堂を建て直された方を「再中興和尚」と呼びます
※「前住」「再住」は僧侶の位を表します
以上が、残された『事蹟簿』より明らかとなっておりますが、これを書き始めた十四世樵山(しょくざん)和尚さま以前の記録は、残念ながら焼失いたしております。
なお、この文章を書き始めた日、5月29日は、奇しくも樵山和尚さまがご遷化された日でした。しっかりと後世に寺歴を残せとのご意思を感じました。