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棚経の電話

 もうすぐ7月。棚経が始まります。ようやく予定を組み終えましたので、ぼちぼちと電話をかけて、それぞれのご家庭のご都合をうかがっております。それにしても最近の電話事情は昔と変わりましたね。「振り込め詐欺」防止のために仕方がないのでしょうが、まずすんなりと通じないことが多いようです。「この電話は迷惑電話防止のために録音されます」という音声が流れるのはもう珍しくなくなりました。「確認のためにあなたのお名前を発信音の後におっしゃってください」というものも出てきました。一度、「善信寺です」と名乗ったのに、つながらなかったことがありましたが、もっと困ったのは、「この電話はおつなぎできません」と言われたときです。改めて自分の携帯からかけたらつながりましたので、どうも寺の番号がそのお宅の電話機の迷惑番号に登録されているような…。間違えて登録してしまったのならいいのですが…。
 電話を悪用する人がいるので仕方ないことですが、電話での会話の敷居がとても高くなってきているように感じます。私もそうですが、電話に出ても自分から名乗らないほうがいいようですね。そのためまずこちらも、「〇〇さんのお宅でよろしかったでしょうか?」という科白から始めます。怪訝そうな低い声で「はい…」というお返事をいただきますが、「善信寺です」と名乗れば、たいていは声のトーンが数調子上がり、「いつもお世話になっています」と返していただけることがほとんどですので、安心していますが、以前と比べて妙に緊張いたしますね。でも大切なお檀家さん方が詐欺に遭わないためですから、大切なことですね。

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