57年前に旧・清水市で一家四人が殺害されたいわゆる「袴田事務」で、再審を認めた東京高等裁判所の決定に対して、検察は特別抗告せず、袴田さんの再審開始が確定しましたね。とても喜ばしいことだと思います。
人間誰しも「罪を犯さない」という誓いは立てられますが、「罪を犯したと疑われない」という誓いは立てられません。人間に間違いがある以上、冤罪はなくなりませんが、死刑が執行されてしまったらもう取り返しはつきません。冤罪の可能性がまったくゼロではないという理由だけでも、死刑は廃止されるべきだと思います。
また仏教的立場からも、不殺生戒は守られるべき第一の戒律です。不殺生戒を破った者がいたとしても、国がさらに殺生していいものか、ましてや国の命令で、したくもない殺生を直接犯さなくてはならない刑務官の立場も慮る必要があるでしょう。私は殺されたくありませんが、殺したくもありません。この点からも死刑制度反対です。
もちろん日本には、死して罪を償う、とか、死をもって恥辱を晴らす、というような文化があることは否めません。それでも私は死刑制度反対です。